MJイラストレーションズ課題、今回は好きな小説の挿絵でした。
藤野可織 「パトロネ」 を選びました。
去年読んだ小説の中で一番映像として印象が残っている話だった覚えがあって。
大学入学で一緒に暮らす事になった妹に無視されて、ロフトに籠って別人のように変って行く妹を心配しながら眺めている姉の話…と思いきや…。おっと、ネタバレはやめときます。
つじつまが合っているような合っていないような、トリッキーな姉の語りに引込まれました。
頭に映像は浮かんでいるのだけれど、それがそのまま描けなくて。
というか、こういう話はもっと抽象化して描けたら良かったなと思います。どうも頑張るほどクソ真面目になってしまう。
…ロフトへの梯子をのぼる私を、妹は上目遣いで睨みながらイヤホンを耳に嵌め直した。…
…私は眠る妹を遠景にとらえつつ、ロフトの手すりにしずかにパトロネを並べる…
…テレビ台の上の、テレビの手前に飾られ続けているスノードームを手に取った…
…シャッター音がして見上げると、涙のにじむ目に、ワンルームの真ん中で携帯電話を手に立ちつくす女児の姿が映った…
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