鈴木いづみです。
70年代にデビューしたSF作家ですが、ポルノ女優だったことがあったり、阿部薫との結婚生活が伝説になっていたり、最後は自殺していたり、エキセントリックでスキャンダラスなイメージが濃く残っている人です。
でも私は、この人の作品の、少女趣味というか、美しくなくて生きにくい世の中にずっと悪態ついてるような女の子の視線が好きで。
70年代の「女と女の世の中」で息苦しいフェミニズムのディストピアからはみだす少女や、80年頃の「恋のサイケデリック!」で豊かで人工的で悪趣味な都会で生きる女の子や男の子達の、軽薄で悲痛な明るい絶望が好きです。
数年前に全集が刊行されて、手に入りにくかった作品や、雑誌に載ったまま本になってなかった対談やエッセイがまとめられて読めるようになりました。
それがきっかけで再読して、二十歳前後にさんざん読んで影響された感覚を思い出しました。
昔好きだった本は懐かしいけど今はちょっと違うっていうのも多いんですが。
この人は今でも好きです。
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